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Channel: 全国国公私立大学の事件情報
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「特に女性が無給にさせられた」 - 無給医の現場の声

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m3.com
無給医に関する緊急アンケート:「現場の若手医師を助けて」との悲痛な声 2019年7月13日 高橋直純(m3.com編集部) Q 「無給医」の調査結果に対する意見、「無給医」をめぐる課題、解決策について、ご意見をお書きください。 【体験談】 ・現在、大学院生として大学病院で診療に従事しつつ、学生としての身分を有している。一応大学病院から給与が支払われているため、無給医ではないものとされているがその実態は、悪質極まりない。その理由を以下に挙げる。非常勤職員として働いているが、その内容が現実的ではない。契約内容は、時給1580円で月に8時間しか労働していないことになっている。  しかし、その実態はフルタイム勤務である。実態とかけ離れた契約書にサインさせられており不条理である。そのため健康保険や公的年金に加入することができない。まずは無給医以外の、不条理な雇用状態の医師の数を把握しないことには真の改革は不可能であると考える。【勤務医】 ・特に女性は、いろいろな理由で無給にさせられました。医局長には、ご主人が稼いでいるから良いでしょうとか、その他、色々と理由を付けられては無給で働いていました。子供が生まれた時は子供を預かってもらうのに数十万円かかることもありました。やむを得ずバイトに出たら、それも本業に専念していないと叱られました。説明をしても、聞いてもらえなかった記憶があります。  感情的にならず日本社会の見学と称して当時のことは自分なりに考えてみました。親戚が支援してくれていたので何とか乗り切りましたが、本人の意思の確認、個人の考えを基に話し合うことすらしない当時の日本は決して先進国ではないと結論。今後の若い方の改革に期待します。ただ、このような社会でも学べることは多く、じっと我慢してでも本分を忘れずに仕事をしていると仕事をした分、それなりに実力は付いたと思います。圧力や困難に屈せずと言う意味での訓練、鍛錬を兼ねていたようにも思います。ただし。やるなら、公平にやっていただきたいですが。【勤務医】 ・私は嘱託医、自己研鑽目的として無給、交通費なし、週1日の外来を医局を辞めるその日まで強要されています。大学にポストを得ない医局員全員が同様です。医局の中では奴隷外来と呼ばれています。これをしないと、専門医を認定しないと脅されてもいます。助けてください。無給で苦しんでいるのは大学常勤医だけではありません。他の病院に常勤医として籍のある、非常勤嘱託医も苦しんでいます。助けてください。早く、自己申告できる問い合わせ窓口、被害相談窓口を設置してください。  クローズドな調査で、クローズドな救済は、変革する本気度を疑ってしまいます。無給で外来をしないと、専門医の指導をしない、博士号の指導をしないとさえ言われて、実名で声を上げることができない現場の若手医師を助けてください。希望をください。きちんとした待遇なしに、きちんとした治療はできません。皆さま助けてください。お願いします。無給嘱託医にも希望を。文科省による救済窓口の設置を。【勤務医】 ・私も大学院生時代、無給医師でしたが、研修指導医、また当直業務は月2回はあり、外来、検査なども常勤医師以上に義務化されていました。医局会で、このことに対して、反論をしたところ、慣習だとのことで、学位研究は、その合間をぬって行っていました。大きな疑問はあり、大学院生であれば、研究のみに没頭できる体制を作るべきとは考えています。以前と比べて、労働環境は改善されているように思われますが、大学院生を戦力として、常勤医同様に働かせる体制は見直すべきと思います。【勤務医】 ・かつて、自分も自分の同期も無給でした。ICU勤務は無給、正式採用のstaff の給料をみんなで分けて、1カ月1万円の給料、その後、大学正式採用も日雇い扱いであり、手取り11万円(勤務は9時―17時になっており、当然土日も出てきていない形)。そこから年金、保険諸々捻出、緊急呼び出しあるのに、タクシー代無し、駐車場は有料でした。優遇無し。家族5人、どうやって暮らせばいいか?バイトですよね。もう戻りたくないですね。大学には、本気で改善しようとしたら、大学経営破綻ですよね。低給医、無給医いなくなると。【勤務医】 ・私も30年前は無給でした。大学院生は学費を払って週1日の研究日をもらい講義を受けるでもなく、残りの6日間は給料をもらっているほかの医員と同じように働き、大変な生活苦でした。今さら何を初めて聞いた風に言うのかと。やっと公に騒がれるようになったかと思います。30年前の賃金を払ってほしいと思います。【勤務医】 ・夫が大学病院に勤務していますが、無給医に該当します。平日は日付が変わる頃まで働いていますが、労働の対価として博士号があるのみで、給与を得るため土日に休みなくバイトをしている姿を見ると辛いものがあります。自分の所属する科では大学院進学が一般的コースとされますが、夫の現状を見ると、とても自分は進学する気にはなれません。  また、入院・外来ともに医師の説明にかける時間が長い割に労働対価の実感がなく、医師説明に対してもっとお金を払ってもらうシステムにするなどしていった方がよいのではないでしょうか。そうすることで大学の診療報酬につながるように思います。【勤務医】 ・妊娠、出産の時に、当然のように大学病院医員を解雇され、復帰の時は時短勤務の選択肢もなく、どうせ短時間しか働けないのだからという当然な感じで無休医になりました(週5回8時半から15時くらいまでの勤務)。その代わり、週に2回、半日のバイトをあてがわれ、月収は20万程度。そこから健康保険と国民年金、保育園代、確定申告で税金払いを入れると、収入ゼロの状態。本来なら、研修として、大学病院に月5000円支払って働かせてもらう必要があるが、それは医局費から出すので免除してやると言われました。当時は、そんなものだろう、働かせてもらえるだけましかな、と思っていましたが、今考えると滅私奉公もいいところです。  夫はもっとひどく、大学院生時代に、8時半から22時くらいまでフルタイムで病棟外来勤務をさせられ、無給。代わりに割のいい週1回のバイトと月1回2泊三日の週末のバイトをもらいましたが、それでも収入は40万程度。大学病院で患者さんの急変などがあると、泊まり込みになったりするのでバイトに行けず、その分収入が下がる始末。大学院の学費に、健康保険、国民年金、所得税の全部自己負担で、私自身の無給医の時代と丸かぶりだったので、貯金など全くできませんでした。  大学病院のポストがないこと、ポストがない割りに仕事量が膨大で、正職員だけではとうてい仕事が回らないこと、大学での給与が少なくてもバイトでなんとかなるからまあいいや、という昔からの考え方が当たり前にあることなどなど、問題は山積で、解決する方法も思い浮かばないくらいです。【勤務医】 ・私の大学は無給医を昨年指摘された後に、時給1000円を払うようになりました。しかし、労働時間は実情より極めて短いため(タイムカードはなく、大学が労働時間を事前に決めています)、支給される額は一切労働に見合っていません。時給が払われるようになったものの、年金や健康保険は大学の負担はなく、経済的負担は極めて大きいです。【勤務医】 ・医学部生のうちから先輩に「大学院生は奉公人みたいなもの」と言われ、諦めていた。実際に配偶者が今その状態だが、仕事が忙しすぎて給与のことに無頓着になっており、また「給与は学費として回収されている」というような趣旨を大学病院側から言われ続けており、もはやマインドコントロールだと思っている。【勤務医】

稚内北星大が経営危機 存廃問題に発展の可能性も

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北海道新聞(2019/06/07)
 【稚内】宗谷管内唯一の四年制大学、稚内北星学園大(稚内市)は6日、同大が経営危機に陥っていることを明らかにした。少子化などによる学生数の伸び悩みに加え、国からの補助金削減で「財政が逼迫(ひっぱく)している」とし、今後、大学の存廃問題に発展する可能性がある。  同大を経営する学校法人稚内北星学園が同日、稚内市議会全員協議会で報告した。同大によると、大学改組時の約20年前から赤字傾向で、人件費などの経費削減に取り組んできた。2016年度からは市が年5千万円を補助して一時黒字を確保したが、今後の経営改善は見込めないという。  同学園の金森勝常務理事は「(大学の)存続をどうするか、理事会で方向性を定めたい」とした。稚内市の表純一教育長は「市も大きく関わっていかなければならない」と述べた。  同大は市が誘致し、1987年に短大として開学。00年に情報メディア学部1学部の四年制大学(入学定員180人)に改組した。だが学生が十分に集まらず、14年度から定員を50人に減らしたが、昨年度の4学年の在籍は計115人だった。また国庫補助金が「国の私学補助の方針転換」(同大)によって、16年度の1億2千万円強から、18年度は7500万円に減少し、収支が悪化した。(三浦祐大、岩崎志帆)

下関市大、専攻科の新設「白紙撤回を」教授会の9割が反対署名

下関市大、経営側と教授ら専攻科新設巡り対立

下関市大、専攻科の新設「白紙撤回を」教授会の9割が反対署名

下関市立大 新専攻科設置巡り対立 経営陣に撤回求め署名提出 教員側「実績ないのに学生集まるか」

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■毎日新聞(2019年7月27日)
下関市立大の理事長らが強引に新たな専攻科などを設置しようとしているとして、撤回を求める署名を同大の教授会の9割を超える教員51人が25日、大学側に提出した。大学の理事を務める飯塚靖経済学部長を含む教授4人が26日、記者会見して明らかにした。  教授らによると、大学側が設置を計画しているのは「特別支援教育特別専攻科」。発達障害児などの教育を支援するため、専門的な知識を持つ人材を育てるのが目的としている。1学年10人が1年間学び、特別支援教員免許1種を取得できるほか、学内外向けの講座なども開く予定。2021年春の開設を目指しているという。  教職員は5月31日に突然大学事務局からメールで計画を知らされ、6月6日に山村重彰理事長から説明があ…

早稲田大学教員公募事件

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■労働組合東京ユニオン早稲田大学支部  ∟●早稲田大学教員公募事件
早稲田大学教員公募事件
 明治大学教員の石井知章氏と労働組合東京ユニオンは、早稲田大学における教員の公募の問題をめぐってこの6月に東京地裁に提訴しました。  国立大学ばかりでなく私立大学でも、教員採用のさいに公募がよく行われるようになりました。より公正で透明な採用をおこなうという趣旨から、文科省がそれを推奨しているという背景があります。しかし2016年に早稲田大学アジア太平洋研究科で行われた公募では、その選考の経過に疑念をいだいた応募者(原告となった石井氏自身)が、研究科の科長に事実確認を求めるという事態が発生しました。研究科の科長が回答することを拒否したため、応募者は大学当局にも訴えましたが、それも拒否されました。  もとより大学教員の採用にあっては、採用する側が選考の経過を明らかにすることはありません。しかしこの件にかんしては、内規違反の可能性があるという情報を落選した本人がつかんでいました。大学教員の採用はそれぞれの大学の学部や研究科が独自に行いますが、そのさいには定められたプロセスに従います。そこに問題がなければ何も言えません。しかしそこに疑念がある場合、それを晴らそうとすることは応募した者の権利であると思います。公募とはいってもあまりにも恣意的な選考が行われており、しかも応募者は採用してもらうという弱い立場にあるため、声も上げられずにいるのが日本の大学の実情です。  今回原告となった本人は明治大学の専任教員であり、早稲田大学政治経済学部で非常勤講師をしているということもあって、あえてこの問題を追及することにしました。そしてそのために東京ユニオンに加盟し、早稲田大学支部を立ち上げました。大学側とは2回団体交渉をおこないましたが、大学側は非常勤講師の労働条件などについては議論に応じたものの、公募の問題については団交事項ではないとして交渉を拒否しました。裁判に訴えることになったのはそのためです。  私たちの主張は公募をやりなおせというのではありません。すでに選ばれた候補者が優秀であることを疑うものでもありません。ただし、①大学は公募をやるからには公正と透明性を保障すべきである、②大学はこの問題にかんして団交に応じるべきである、ということを裁判でも主張していきたいと思います。  この問題には二つの背景があります。一つは、日本の私立大学が大学としての自律性を失ってしまっているということ、もう一つは、文科省自体も政策を誤っているということです。  国立大学法人ばかりでなく学校法人(私立大学)においても、文科省への「忖度」は働きます。文科省は「大学自治」を理由に公募を推奨するだけにとどめていますが、国の私学助成費を少しでも多くもらうためには、その意向に沿うのが一番です。それゆえ形だけの公募をおこなう私立大学が増えています。また文科省は90年代中頃から任期制もおし進めていますが、任期切れであらたな職を探さないといけない教員・研究者も増えています。  全国の「教員市場」を真の意味で「流動化」させるためには、私立大学を含めたすべての大学に公募を義務づけるとともに、公募の公正と透明性を確保するための全国的な仕組みが必要です。バランスを欠いた文科省の「ガバナンス」によって苦しめられているのは、テニュア(終身)職のないすべてのポスドク、非常勤講師、教員、研究者です。応募のたびに膨大な資料を作成する時間と労力を要求され、論文のコピーや面接の移動に多額の出費を強いられ、ふつうは落選してしまいます。多くの研究者の時間、労力、意欲を無駄にし、疲弊させているのがいまの公募の実態なのです。 8月22日の東京地裁での第一回裁判期日への傍聴をよろしくお願いします。 2019年8月22日(木)13時15分 東京地裁709号法廷 連絡先:労働組合東京ユニオン 電話03-5354-6251 FAX03-5354-6252

早稲田大学教員公募事件、大学教員の真の公募制のために

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■労働組合東京ユニオン早稲田大学支部  ∟●大学教員の真の公募制のために
大学教員の真の公募制のために
2019年8月6日
大学教員の公募はいかなる専門領域(ディシプリン)にあっても、その分野が学問として自律しているか否かを知るためのよい機会となる。それが政治学であるなら、政治学という学問の自律性が問われることになる。 中国政治の研究者は、いまの中国の体制を肯定するのでも否定するのでもなく、中国の歴史の全体を把握しようと努めながら中国政治のいまについて語らねばならない。公募とはそうした者を公に募ることだから、もとより公正かつ透明なものでなければならない。 しかしそれはなかなか難しい。早稲田大学は学内に多くの反対意見があったにもかかわらず、江沢民や胡錦涛が日本を訪れたときには大講堂で講演をさせた。いまでも孔子学院の事務所が学内にあり、構内には中国からたくさんの留学生がいる。たしかにそれは日中両国の交流を深めるのに貢献するかもしれない。しかし天安門事件以降の中国の政治体制に批判的な研究者は、中国にはいまだに子供を大学にやれない貧しい家庭も多いし、日本に留学できるのは都市に暮らすゆたかな家庭の子に限られるという現実も見ている。早稲田大学で働く者ならだれでも、政治学を研究する者はなおさら、大学の政治的選択(総長がそれを代表する)を批判してもよい。なぜならそこに学問の自律がかかっており、大学とは学問の自律を保障すべきところだからである(「建学の精神」)。 わたしたちは2019年6月11日に早稲田大学を東京地裁に提訴した。2016年度に早稲田大学アジア太平洋研究科で行なわれた中国政治の専任教員の公募において不当な差別があったと訴えている。選考の結果に不満があるのではなく、そのプロセスにおいて生じた疑念について大学側に何度も説明を求めたけれども、拒否されたためである(団交の拒否)。 公募に関して、大学は外に向かって公明正大であるばかりでなく、その内部においても公募による選考のプロセスが学則や内規に抵触していないかどうかの検証をおこなわれねばならない。早稲田大学の田中総長は自ら積極的に公募での教員採用をおし進めており、しかも政治学の研究者である。われわれの疑問に法廷で答えるべきだろう。 開かれた公募制のために 大学がすべて国立であり、教員がすべて国家公務員であるフランスには、CNU(全国大学評議会)という組織がある。CNUは専門分野ごとの分科会をもち、それぞれの分野で各大学の教員の採用や昇進を全国レベルでチェックしている。私立大学が75%を超える日本では、フランスのCNUのような組織をつくるのは難しいかもしれない。しかし国公私立のすべての大学を文科省が管理している日本のシステムは、フランスの中央集権的なシステムとよく似たところがある。ゆたかな自己資本をもつアングロサクソン諸国の有名私立大学とは異なり、日本の私立大学は一九一八年の大学令以来、文科省(文部省)の管理のもとでしか機能しえない貧しい状況にいる(「私学助成」)。 フランスの大学は数のうえでは70ほどだが、すべて博士課程までそなえている。そのため地方の大学でも大学教員を養成できる。しかし地方とパリとでは提出される博士論文の数も違うし、審査のきびしさも異なる。またいずれの大学においても自分のところで育てた学生を教員にしたいという閥族主義(ネポティスム)がはびこりやすい。そのためパリで大量に生産される博士たちは、いかに優秀であってもなかなか就職できないというジレンマにおちいる。しかしCNUは「大学自治」とぶつかることも多く、必ずしもうまく機能していないのが実情である(アレゼール日本編『大学界改造要綱』参照)。 日本には800近い大学があるが、博士課程までそなえている大学は東京などの都市圏に偏っている。それゆえ博士課程を修了した者は、たやすく地方の大学にポストを得られそうにみえる。しかし事実はそうではない。すべての大学が公募をおこなうわけではないし、たとえ公募が行われていても、その公正をチェックできるCNUのような組織がない。 そこでは「採用の自由」がものをいう。公募が中教審と文科省によって推奨されるなか、私立大学においても公募による採用は増えたけれども、公募における選考のプロセスは不透明なままである。こうして日本にもフランスと同じように、大学教員の採用における「不公正と怨恨の連鎖」が生じてしまう。 バランスを欠いた国と文科省の大学政策 若年人口も減少するなか、日本の大学はアジアから留学生をあつめて経営を支えようしている。しかしその留学生はたいてい裕福な家庭のこどもたちである。日本の大学は、日本の社会の階層間に「流動性」をもたらさないばかりか、アジアの国々のエリートと大衆の二極化に貢献するものとなってしまっている。 文科省は公募の公正については何の対策も取ってこなかったにもかかわらず、「任期制」を導入して大学教員の「流動性」を高めようとしている。まるで大学から「自治」をうばうことによって、その「ガバナンス」(トップダウンの「統治」)を完成させようとしているかのようだ。財政基盤の弱い日本の大学の学内政治は国や文科省の影響をもろに受ける。たとえ総長(学長)が選挙で選ばれる大学でも、選ばれた総長(学長)が競争型資金の獲得競争に参入できる大学をめざせば、文科省のいう「ガバナンス」に組み込まれざるをえない。早稲田大学はむしろ積極的にそこに組みこまれようとしている大学なのである(「ヴィジョン150」)。 今回の訴訟の原告は早稲田大学では非常勤講師をしているが、他大学にすでに専任教員の職を持っている。非常勤の職しか持たない教員やポスドクは、応募における選考の公正に疑問を感じても声をあげることは難しい。大学側の採用の自由ばかりがまかりとおり、応募者の人権がおろそかにされている。私たちは日本の大学のこのような実情を広く社会に訴えるためにこの訴訟を起こした。 石井知章(早稲田大学非常勤講師) 岡山茂(早稲田大学教授)

サイト紹介、「原朗氏を支援する会」ウェブサイト 小林英夫氏盗作行為の起源

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「原朗氏を支援する会」ウェブサイト
堀和生「小林英夫氏盗作行為の起源」
構成 はじめに (1)引用注 (2)二重の背信行為 (3)剽窃の重み おわりに 参考資料剽窃箇所対照表(一部) ・参考資料B:尹亨彬「1929年元山労働者のゼネスト」(堀監訳訂正版) ・参考資料C:小林英夫「元山ゼネスト─一九二九年朝鮮人民のたたかい」(一部)小林氏自身による改題(小林英夫・ 福井紳一著『論戦「満洲国」・満鉄調査部事件 ―― 学問的論争の深まりを期して』彩流社 2011年より一部引用)
2019年5月17日 堀 和生
はじめに 本件の訴訟の冒頭において、小林英夫氏(以下、「小林」と呼ぶ)は、自分は「学会上の常識や倫理上批判を受けうる、いかなる行為も行っていない」(原告「第2準備書面」2014年1月21日 4頁)、と述べている。はたしてそうであろうか。本稿の目的は、小林の主張とは異なり、彼が研究活動の当初から、甚だしく研究倫理を欠いた行為を行っていたことを、わかりやすく示すことである。 取りあげる論文は、小林英夫「元山ゼネスト-1929年朝鮮人民のたたかい」(労働運動史研究会『労働運動史研究』44号 1966年7月。小林英夫・ 福井紳一著『論戦「満洲国」・満鉄調査部事件 ―― 学問的論争の深まりを期して』彩流社 2011年 再録)である。これは小林が、裁判所に提出した自己の「発表論文目録」(甲第5号証)でその第一番目に掲げたもので、上記の「第二準備書面」(2頁)では次のように述べている。「原告は、その著作の主要部分を既に学会誌等への12本の論文を通じて発表し(甲5)、本件学会発表の前に、原告著書の主要な章節は既に完成していた。原告著書の内容・編別構成は、被告の学会発表前に、上記12本の論文の中でほとんど発表しているものであり、当然の帰結として、被告の学会発表に依拠したものではない」。このように、小林の本論文(以後、「小林論文」と呼ぶ)は、本件訴訟の資料の一部を構成するものであり、当然にこの論文中における剽窃問題は、自らこれを組み込んだと主張する本件小林著書に対する学術的な信頼性に直結するものである。 小林論文との関係を検討するのは、北朝鮮の学術雑誌に発表された論文、尹亨彬「1929年元山労働者の総罷業とその教訓」(『歴史科学』1964年2号。以後、「尹亨彬論文」と呼ぶ)である。小林論文の2年半前に発表されており、同じく1929年朝鮮の元山府で勃発した著名な総罷業(ゼネラル・ストライキ)を対象としている。この論文を取りあげるのは、表題に掲げた問題を第三者が簡単明瞭に理解することができる素材であるからである。 本論に入る前に、2つの論文の対象となった事件の概略を紹介したうえで、当時までの研究史について説明しておこう。1928年英蘭系石油会社ロイヤル・ダッチシェルの子会社ライジングサンの朝鮮元山の油槽所でおこった労働争議が、警察署長や商工会議所の調停では解決できず、やがて運送労働者・埠頭労働者までを巻き込み、最終的に1929年1月から商店の同情ストまでよびおこす全市的な総罷業にまで拡大した。この3ヶ月に及ぶ総罷業は、朝鮮の労働・民族運動としても、近代日本帝国における社会運動としても規模が大きく、当時から注目を集めた大事件であった。ただし、その事件は日本の植民地統治に関わるものであったために、注目度の高さに比して公開された報道・情報資料は多くはなかった。最もまとまったものは、同時代資料である×(ふ)×(せ)×(字)「元山に於ける総同盟罷業」(『新興科学の旗のもとに』1929年7月号)であり、その他は断片的な報道、伝聞資料のみであった。戦後の研究においてもそれら戦前の報道、伝聞資料を再引用する状態に留まっていたなかで、事実発掘の密度を格段に引き上げた時代を画する研究として登場したのが、ここで紹介する尹亨彬論文である。そして、日本における新しい水準の研究が、それから若干遅れて公刊された小林論文であった。 尹亨彬論文の全文を掲げたのが資料Aで、朝鮮語文で17頁である。尹亨彬論文を筆者の責任で日本語翻訳したものが資料Bで、A4で17枚である。小林論文の全文が資料Cで、4段組10頁のものである(以下,単に「A」「B」「C」という。)。この3つの文献を比較することによって論を進める。小林論文の文章を基準として重複する箇所に赤線引いて明示した。接続詞の違いやわずかな表現の変更相違、AからCに至る過程で少しの省略や加筆があっても、それらがおおむね文章の10%以内のものであれ、重複と判断した。表現の変更とは、日帝?日本あるいは日本資本主義のような言い換えや、文章の圧縮のことである。当該箇所の重複の実相については、読者が直接に照合して読み合わせていただきたい。 筆者がA・BとCを比較検討した結論は、次の3点に要約される。 ……以下,略……

山梨学院大学で異常事態、「非常勤講師切り捨て」とモラルの崩壊

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現代ビジネス  ∟●山梨学院大学で異常事態…「非常勤講師切り捨て」とモラルの崩壊(2019年8月18日)
山梨学院大学で異常事態…「非常勤講師切り捨て」とモラルの崩壊
田中 圭太郎 山梨県庁で記者会見の「異常事態」 山梨県甲府市に広大なキャンパスを構え、法学部、経営学部、健康栄養学部、国際リベラルアーツ学部、スポーツ科学部の5学部6学科と、2つの研究科をもつ山梨学院大学。運営する学校法人山梨学院は、3800人以上の学生が通う大学のほか、幼稚園、小・中学校、高校、短大も有している。 この山梨県を代表する総合大学で、異常な事態が起きているという。大学の非常勤講師2人と首都圏大学非常勤講師組合は6月24日、山梨県庁で記者会見し、次のように述べた。 「山梨学院大学ではいま、非常勤講師の違法な定年切り下げや雇い止めが起きていて、多くの教員が追い詰められています。このまま放置するわけにはいきません」 会見した講師らは、学校法人山梨学院が今年1月に甲府労働基準監督署から立ち入り調査を受けて、指導と是正勧告を受けたことを明かした。その理由は、労働基準法に定められた手続きをとらずに、非常勤講師の定年の切り下げや、65歳以上の講師を退職させることなどを定めた就業規則を作成していたからだ。 しかし、是正勧告を受けても、山梨学院は就業規則を改めていない。そればかりか、5年以上勤務して無期雇用転換権を有している非常勤講師を雇い止めしていることもわかっている。山梨学院大学に何が起きているのか、取材した。 労基署が立ち入り調査、是正勧告 甲府労働基準監督署は今年1月28日、学校法人山梨学院に対して立ち入り調査を実施し、ただちに是正勧告を行った。 問題となったのは、2018年4月に山梨学院が作成した非常勤講師の就業規則。慣例で70歳だった定年を65歳に引き下げ、65歳以上の講師は今年度末に退職してもらう、というものだ。しかし、在籍する約150人の非常勤講師たちは、このような就業規則が新たに作られていたことを知らなかった。 山梨学院には、労働者の過半数が所属する組合がなく、就業規則を作成もしくは変更する場合には、すべての労働者の中から過半数代表者を選んで意見を求めることが労働基準法で定められている。違反すれば、30万円以下の罰金が課される。 ところが山梨学院は、労働基準法で定められた手続きをとらずに、勝手に就業規則を作成していた。その上で非常勤講師の雇い止めを始めたのだ。 労働基準監督署は、就業規則に盛り込まれた、非常勤講師にとって不利益な変更内容の取り扱いを検討するとともに、法律に沿った手続きをやり直すことを求めた。労基署がこれだけ明確に指導し、是正を勧告するケースは、全国的にも珍しい。それほど悪質だったといえる。 にもかかわらず、山梨学院の就業規則の内容は、半年以上が経った現在も変わっていないのだ。 きっかけは非常勤講師の「雇い止め」 山梨学院が指導と是正勧告を受けたことを明らかにしたのは、非常勤講師として約15年勤務する高橋明弘さんと、同じく10年以上勤務している柴崎暁さん。2人が労基署に山梨学院の違法行為を申告した。 高橋さんと柴崎さんが異変に気づいたのは去年10月。同僚だった40代の非常勤講師の女性が、大学から突然雇い止めを告げられた。 2013年に改正された労働契約法では、非正規労働者が5年以上勤務した場合、無期雇用への転換権を得られるようになった。この講師は山梨学院に5年以上勤務していたことから、すでにこの権利を得ていた。 ところが、講師が無期雇用への転換を申し込もうと思っていた矢先、大学の人事課から突然「あなたは今期限りです」と告げられた。学科を改編するためという理由だったが、実際は学部と学科の名前が変わっただけで、中身は変わっていなかったことがのちに判明している。 つまりは無期雇用転換を逃れることが目的の、脱法行為が疑われる雇い止めだったのだ。 この講師は大きなショックを受けて、告げられた通りに大学を辞めてしまった。しかし、この他にも雇い止めされそうになっている講師がいることが判明。高橋さんらは調査を進め、職員も知らないうちに学院の就業規則が作成されていたことを突き止めた。 つまり、山梨学院は、無期転換権がある非常勤講師を雇い止めすると同時に、就業規則を作って65歳以上の非常勤講師を切り捨てる計画を立てていたのだ。 高橋さんと柴崎さんは今年1月24日に労基署に申告。労基署がわずか4日後に大学に対して指導し、是正勧告したことから、2人は山梨学院に就業規則の撤回と手続きのやり直しを求めた。 就業規則変更を巡るゴタゴタ 指導と是正勧告を受けて山梨学院は今年3月、就業規則変更のための過半数代表者選挙を実施した。しかし、このとき学院側が提出してきた就業規則の改定案は、前年に作られたものと同じ内容だった。非常勤講師にとって不利益な変更は再度検討するように、という労基署からの指導を無視した形だ。 選挙を実施した時期も問題だった。大学が春休み中の3月末に突然選挙を行うことを明らかにしたのである。立候補期間は土日を除くと3日間しかなく、投票期間に至っては2日間だけ。これでは多くの人が選挙を知らないまま終わってしまう。 さらに投票の方法を、直接匿名秘密投票ではなく、記名投票とした。言うまでもないことだが、記名投票では、山梨学院側が事実上擁立した候補者に投票しなかった人物がわかってしまい、教職員が萎縮するおそれがあった。 過半数代表者の選挙には、山梨学院側が擁立した候補と、柴崎さん、さらに「このままではまずい」と立ち上がった別の専任教員の3人が立候補。教職員の間に労働条件や労働環境に対する危機感が広がり、結局、山梨学院の思惑に反して専任教員が当選した。 すると山梨学院はこの専任教員に、18年度・19年度と2年分の就業規則変更について意見書を作成させた。2年分の意見書を1度に書かせる行為は、適正とは言えない。 しかも、専任教員がパソコンで作成した意見書を提出すると、山梨学院は所定のモデル形式を手渡し、A4用紙1枚に収めるようにと、手書きによる書き直しを強く指示した。書き直して提出すると、今度は「定年の引き下げなどの不利益変更をしないように」と意見を書いた部分を削除させたのだ。この書き直し要求は、労働基準法施行規則に抵触する。 しかし山梨学院は「(過半数代表者の)意見が(就業規則に)反映されるものではないから」と、問題ないという姿勢だった。そのまま就業規則を労基署に届け出て「法的に有効」と主張。高橋さんと柴崎さんは「労基署の指導と是正勧告を無視している」と抗議している。これが現在の状況だ。 「研究者とはマッチングしない」 高橋さんと柴崎さん、それに首都圏大学非常勤講師組合が調査を進めるうちに、山梨学院が教員の雇用を非常に軽く見ていることがわかってきた。 山梨学院の2016年の事業報告書を見ると、改正労働契約法によって非常勤講師を無期雇用に転換しなければならないことに対して、否定的な見解が明記されている。 〝非常勤職員への対応について、当初の「雇い止め」から「無期転換」への方針転換を軸に検討を進める動きもあったが、結果的には「雇い止め」を実施することで最終的な経営判断が下された。今後は、「雇い止め」をめぐる具体的な対応と適正な実務を検討していく〟 これは改正労働契約法を無視することを堂々と宣言したものだ。全国の大学などで無期転換を嫌がって非常勤の教職員を雇い止めするケースが問題になったが、公式な文書で脱法行為をおこなう意思を明確にしているのは珍しい。 しかも、専任教員や職員の待遇も改悪していた。今年4月以降、専任教員や職員の期末手当の乗率は、これまでの年間5・1ヵ月分から、評価によって3ヵ月分から4・6ヵ月分に変更されていた。平均的なB評価の場合は3・8ヵ月分の支給なので、ダウン幅は決して小さくない。評価の基準も明らかにされていない。 さらに、山梨学院の考え方が明確にわかる資料もある。山梨学院の古屋光司理事長兼学長は、先代の理事長兼学長である父親の跡を継ぐ形で去年4月、39歳の若さで着任した。司法試験に合格して弁護士登録をしたのち、2006年4月から法人本部で勤務。副学長などを歴任した。この古屋理事長兼学長が教授会で示したとされるのが、次の文書だ。 1枚目の冒頭には、〝本学は、あくまで教育に特化する〟〝高度な研究機関として評価される大学は目指さない〟と掲げている。 その上で、2枚目には〝本学が求める大学教員像〟が示され、一番下には〝従来の日本の大学に見られる典型的な「研究者教員」を望む人は、今後、本学とのマッチングはない〟と明記されている。 言うまでもなく、大学の両輪は「研究」と「教育」であるはずだ。しかし「研究者は今後雇用しない」と受け止められる文言が、ここには堂々と書かれているのだ。 大学では、上層部のモラル崩壊も起きているという。昨年度、特定の運動部に所属する学生10数人が、本来は単位を落としていたのに、大学が担当教員に知らせずに補講を実施して、学生に単位を与えたことがわかった。 山梨学院大学がスポーツに力を入れていることは理解できる。だからといって、特定の部に所属する学生だけに、落としたはずの単位を秘密裏に与えていては、「何でもありの大学」だと思われても仕方がないのではないだろうか。 退職した教員の数は「答えられない」 労基署による指導と勧告の後も、就業規則作成の手続きが適法と言えないことと、非常勤講師の就業規則の内容が変わっていないことについて、山梨学院に質問した。広報からの回答は、次の通りだった。 「今回の過半数代表者の選任については、労働基準監督署の是正勧告・指導に基づき、適切な対応・手続きを経て行っております。現在の山梨学院非常勤講師就業規則は法的にも有効であると考えております」 定年を65歳に引き下げることついても「顧問弁護士に確認し、現行規則が法的に有効」という認識を示した。 また、今後「研究者教員」を望む人とはマッチングしない、という教授会で示された内容について確認を求めると、事実と認めた上で次のように釈明した。 「『研究者教員を望む人は、本学とのマッチングはない』という表現については、『今後、学生の成長につながるように更に教育に力を入れていく』という趣旨の現れです。各教員には、学部教育の充実(学生指導)とともに、学部教育やリベラルアーツ教育の向上につながる研究、これまでも本学が行ってきた地元山梨の経済・政治・行政の活性化に具体的に貢献できる研究、全学的国際化の実現を目指し、海外大学との共同研究や学術交流などを積極的に推進していただきたいと考えております」 山梨学院は非常勤講師の無期転換について、現状では申し込みがあった場合は応じていると説明した。しかし、去年4月以降、何人の非常勤教員が退職したのかを訪ねると、「答えられない」と明らかにしなかった。 おかしな方向に進んでいる 労基署への申告者の1人である柴崎さんは、教員の雇用の問題が噴出してきたのは、現在の理事長が就任してからだと感じている。 「理事長は就任の際、山梨に必要とされる、愛される学園にしたいと話していました。それが本当なら全面的に賛同します。しかし、おかしな方向に進んでいるのは明らかです。以前の山梨学院は普通に学問ができる場所でした。軌道修正してほしいと思っています」 もう1人の申告者の高橋さんは、非常勤講師だけではなく、常勤の教員や職員も追い詰められていると指摘している。 「私たちのところには、教員からかなりの数の相談が来ています。闇は深いと思っています。辞めざるを得なかった人も少なくないはずで、いまも多くの人が追い詰められていると感じています」 首都圏大学非常勤講師組合では、7月と8月に甲府市内で説明会を開催した。今後は山梨県内の教職員を対象にしたユニオンを結成するために支援していくという。 また組合は、労基署から是正勧告を受けた後も適正な手続きがとられていないなどとして、現在も山梨学院に就業規則の撤回を求めて交渉を申し入れている。松村比奈子委員長は「山梨学院大学の行為はこのまま放置しておくわけにはいかないレベルだと考えています。このような不正がまかり通る環境は改善しないと、大変なことになるのではないでしょうか」と危惧している。 しかし、山梨学院が態度を変える気配はなく、現状では解決の道は見えていない。

元教授、再雇用拒否不当 南山大に慰謝料支払い命令

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■毎日新聞(2019年7月31日)
 南山大(名古屋市)の元教授の男性(67)が懲戒処分を受け、定年後に再雇用を拒否されたのは不当として、慰謝料500万円や賃金の支払いなどを求めた訴訟の判決で、名古屋地裁(佐藤久貴裁判官)は30日、処分の無効と雇用関係を認め、慰謝料50万円などの支払いを大学側に命じた。  判決によると、元教授は2017年3月に定年退職したが、大学は元教授が16年にけん責処分を受けたことを理由に再雇用を拒否した。……

九州看護福祉大、豊田保教授に対する懲戒処分について

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■九州看護福祉大学教職員組合  ∟●豊田保教授に対する懲戒処分について
令和元年7月31日 九州看護福祉大学教職員組合
豊田保教授に対する懲戒処分について
 本年7月9日、学校法人熊本城北学園は九州看護福祉大学豊田保教授(社会福祉学科)に対して停職6月の処分を下しました。しかし、豊田教授は反社会的行為をしたわけでも、本学に損害を与えたわけでもありません。それにもかかわらず、このような重い処分が下されたことは弁護士も呆れるほど異常なことであり、懲戒手続きにも重大な問題があります。これは懲戒権の濫用に他なりません。今回の処分により、豊田教授担当授業の履修生が数コマの講義を残して単位を取れない事態になっており、学生に大きな不利益が発生しています。合理性・正当性を著しく欠いた今回の処分は、経営陣の意に沿わない発言・行動をした者は処分されるという悪しき見本であり、労働者が発言することはますます封じ込められることになります。教職員組合は豊田教授に対する懲戒処分の撤回および学生・保護者への説明を要求します。  本学の運営には、今回の問題だけでなく、論文不正疑惑の調査や動物実験の審査について看過できない問題があります。教職員が安心して働ける環境や正常な大学運営を取り戻すために声をあげましょう。 主な懲戒理由と豊田教授の主張 【理由】教員A氏の勤務時間について学園の指示に従わず、A氏と産業医との面談を妨害し遅らせた 【主張】社会福祉学科長であった豊田教授は本学に対して、睡眠障害を抱えている教員A氏(同学科)の出退勤時刻をスライドするよう要望したが、拒否されたため大学の指示に従うよう教員A氏に伝えた(本年3月1日)。それ以降、豊田教授は教員A氏の勤務時間には介入しておらず、大学の指示に従わなかった事実はない。また、教員A氏と産業医との面談を豊田教授が妨害し遅らせた事実はない。なお、教員A氏は主治医の診断書を提出したが、冨田淳事務局長は、本学での合理的配慮は震災時などのケースを想定しており、個別的な対応は認められないと回答し、その後の交渉のストレスから教員A氏は適応障害も罹患した。弁護士によれば、教員A氏への本学(学校法人)の対応は安全配慮(健康配慮)義務違反である。 【理由】大学院研究科委員会の審議内容を研究科委員会以外に漏洩し、人事委員会の審議内容を漏洩した 【主張】大学院研究科委員会の審議内容とは、研究科長である肥後成美副学長(リハビリテーション学科教授、理事)が大学院入学試験成績の極めて悪い受験生を合格させようとしたことを指す。豊田教授はこのことを、研究科委員会委員ではない大学院教員にも知らせたが、研究科委員会の規定には守秘義務条項はない。また、受験生の個人情報は漏洩していない。問題視されるべきことは本学大学院での勉学に支障のあると思われる受験生を合格させようとした肥後副学長や本学の姿勢であり、豊田教授の行為ではない。人事委員会の審議内容の漏洩については、その内容が何を指すのか、誰に漏洩したのかが明記されておらず、懲戒理由として不適当である。 【理由】高木義紀常務理事の個人情報(生年月日、職歴)を本人の許可なく職員全員に流布した 【主張】高木理事の本学での職歴については不正在職(定年を過ぎても事務局長に在職し続けた等)の疑いがあり、豊田教授はそのことを指摘する文書において高木理事の生年月日と本学での職歴を示した。高木理事の生年月日及び本学着任までの職歴は雑誌「くまもと経済」(2014年5月号)に記載されている。すなわち、高木理事は自身の生年月日等が不特定多数に知られることを容認している。また、本学での職歴は教職員向け通知や理事会資料等において周知のことである。つまり、弁護士も指摘しているように、本懲戒理由には根拠がまったくない。 懲戒手続きの問題 肥後副学長は豊田教授の懲戒理由に関わる当事者であるにもかかわらず懲戒委員として審査に加わった。そのような懲戒委員会において中立・公正な審査を望めないことは明らかである。

明海大の団交拒否 不当労働行為を認定 都労委

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■しんぶん赤旗(2019年8月24日)
明海大の団交拒否 不当労働行為を認定 都労委
 明海大学が、明海大教職員組合(東京私大教連加盟)の希望する場所での団体交渉開催を拒否し、大学の各教員あてに郵送した組合ニュースを回収した事件について、東京都労働委員会は21日、不当労働行為を認定し、「行為を繰り返さない」と誓約する文書を大学内に掲示するよう命令しました。  明海大は、千葉県浦安市と埼玉県壁戸市にキャンパスがあり、組合は両キャンパスの役員が参加できるよう中間にある東京事務所(東京都港区)での団交開催を求めましたが、2011年11月以降、当局は拒否を続けています。  また当局は敷地内での組合活動を一切禁止し、16年3月、組合が大学の教職員あてに郵送した組合ニュースをメールボックスから引き抜き、教職員からも回収。組合役員に対して「厳重注意」を行いました。  命令書は、かつて東京事務所で団交をしていたことを指摘し、「合理的な理由もなく拒んでいるといわざるを得ない。組合にとって支障のある開催条件を意図的に押し付けようとしているものとみざるを得ない」として、不誠実団交とともに支配介入だと認定しました。  組合ニュース回収については、「勤務時間の内外を問わず、法人施設内での一切の組合活動禁止を明言していた法人が、その意思を貫徹するために行ったものとみるべきであり、組合活動を抑制し弱体化することを意図したものである」として支配介入だと判断しました。  大学側は組合が都労委申し立てをした直後の17年3月、組合役員の教授を懲戒解雇しましたが、今年3月、東京地裁立川支部で解雇無効判決が出ています。

「無期転換逃れ雇い止め」地位確認求め長崎大提訴へ ベルギー人元助教

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毎日新聞(2019年8月26日)
 長崎大で有期契約の助教として8年間勤務し、2月末で雇い止めになったベルギー人男性が「無期契約への転換を逃れる目的で雇い止めにされた」と訴え、助教としての地位確認を求める訴訟を来月、長崎地裁に起こす。2017年3月の契約更新時に従来と同じ3年契約を結んでいれば無期転換を申し込む権利を得られるはずだったが、長崎大は日本語の読み書きが不自由な男性に対し、日本語の文書を渡して2年契約に変更していた。  男性は、11年3月に3年契約で採用され、医学部の学生に医学英語を教えていたリュク・ロースフェルトさ…以下略。

明海大不当労働行為事件、都労委が完全勝利命令

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■東京私大教連  ∟●東京私大教連ニュース(2019年8月21日)
東京都労働委員会の勝利命令にあたっての声明
 2019年8月21日、東京都労働委員会は、明海大学教職 員組合 (以下、「組合 J ) が申し立てた不当労働行為救済申立事件(都労委平成29 年(不) 第3号)について、学校 法人明海大学の不当労働行為(団交矩否と支配介入)と認め、学校法人明海大学に対して 、これらの不当労働行為の是正、および、このような行為を繰り返さない趣旨の文書をキャンパスに掲示することを命ずる命令を下しました。  これらの団交拒否と支配介入は、以下に述べるとおりきわめて不当なものでした。 1. 明海大学の2つのキャンパスは千葉県浦安市と埼玉県坂戸市にあり、両キャンパス問の移動には長時間かかるため、一方のキャンパスで就業時間終了後に団交を開催すると他方のキャンパスに勤務する執行委員の参加が困難です。そのため組合は、中間地点の代々木にある東 京事務所での団交開催を申し入れてきました。しかし、 学校法人明海大学の理事会は、坂戸キャンパス組合員の身分問題が議題のときに浦安キャンパスでの開催を一方的に指定するなど、東京事務所での団交開催を頑なに拒否しています。こうした理事会による団交場所の一方 的指定は、組合の団交参加者を制約して組合の力を弱めさせる不当な攻撃です。 2 .組合が結成されて以来、理事会は、就業時間内 ・大学敷地内での組合活動を 一切禁止し、組合ニュースの学内での配布等も禁止しています。このため、組合は、団交で法人に確認を取った上で、大学の教職員宛に組合ニュ スを封書で郵送しました。この封書は、メールボックスに投函されるなどして一旦は教職員に配布されましたが、封入物が組合ニュースであることを知った理事会 は、郵便物をメールボ ックスから抜き取り、既に個人に渡っていたものについても回収しました。さらに理事会は、「事情を全く知らない郵便局員と本学事務職員を道具として利用して」学内での組合活動を行った就業規則違反の行為であるとして、組合執行委員に対して「厳重 注意」を行いました。これは、組合の運営を妨害し 、執行委員を威嚇して組合を弱体化させようとする支配介入に他なりません。 これらの団交拒否や支配介入は、理事会の組合嫌悪 ・敵視に基づ く悪質な不当労働行為です。また、組合が本件について不当労働行為救済を申し立てた直後に組合執行委員を懲戒解雇( 2019年3月27日に東京地裁立川支部で解雇無効の判決、理事会が控訴)するなど、理事会の組合攻撃はエスカレートしています。  私たちは、学校法人明海大学に対し、本日下された命令を真塾に受けとめ、中央労働委員会に再審査申立をすることなく本命令を誠実に履行するよう強く求めるものです。
2019年8月21日 東京地区私立大学教職員組合連合(東京私大教連) 明海大学教職員組合

サイト紹介、九州看護福祉大学を正常化する会

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九州看護福祉大学を正常化する会 http://www.bizserver1.com/toyoda-kyushu/index.html
豊田保教授に対する懲戒処分について
本年7月9日、学校法人熊本城北学園は九州看護福祉大学豊田保教授(社会福祉学科)に対して停職6月の処分を下しました。 しかし、豊田教授は反社会的行為をしたわけでも、本学に損害を与えたわけでもありません。このような処分が下されたことは異常なことであり、懲戒手続きにも重大な問題があります。

下関市立大学で何が起きているか、「市長が持ち出した人物をルールを破って教授に採用」

下関市立大、揺れる専攻科新設計画 理事長、市長の要望受け担当教員採用

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■毎日新聞  ∟●下関市立大、揺れる専攻科新設計画 理事長、市長の要望受け担当教員採用(2019年9月11日)
 山口県下関市の市立大学(川波洋一学長)が、特別支援教育の専攻科を新設する計画を巡って揺れている。計画は、同大設置者である市の前田晋太郎市長の要望を受け、山村重彰理事長ら大学経営側が教授らの審議を経ずに約1カ月で方針を決め、担当教員の採用を内定した。専門家は、学内に新しい組織を作る際は、既にいる教授らの意見を聴きながら進めるべきだと指摘している。【佐藤緑平】 教研審経ずに計画進行  前田市長は6月4日、山村理事長宛ての文書で、大卒者らを対象とするインクルーシブ教育(障害児と健常児が共に学ぶ教育法)の専攻科設置などに取り組むよう要請した。  同大の定款は教員人事や、教育課程の編成に関する事項は、教育研究審議会(教研審)で教授らの意見を聴くよう定めている。関係者によると大学側は今回、教研審を開いていない段階で教員に対し、専攻科の組織概要を説明し、担当教授として「採用を想定している」とし、特定の研究者の名を挙げたという。同20日の教授会では山村理事長が「市長の意を介して、私も意志を持って(計画を)実行している」などと話したとされる。  大学側は同25、26両日、専攻科設置などの議題で教研審開催を呼び掛けたが、反対する教授らの欠席で流会。欠席した1人は「市長が意向を示し、理事長が実行するのは学則に違反する。そのことについて議論はできなかった」と話す。  大学側は欠席を事実上の権利放棄と判断し、同26日の経営審議会で、2021年度に専攻科を開設するなどの方針を決めた。同28日には担当の教授、准教授、講師として、名前を挙げていた研究者ら3人に採用内定を通知。関係者によると、内定した教授は事前に前田市長が大学側に推薦していた研究者で、5月30日に市長応接室で山村理事長らに対し「(研究者と)ぜひ会ってほしい。下関の何か役に立ってくれる方になりそうだ」などと話していたという。 教員9割が撤回求める  毎日新聞の取材に前田市長は「(内定した教授は)情熱的で頭が良く、改革志向で前進しようという気持ちが強い。下関で発達障害の子に対応する良い仕組みを取り入れたかった」と発言を認めた。「個人的な利益誘導や、誰かの思いでやっていることではない」とし「大学が少子化に立ち向かうため、変化を求めて良くしていかないと維持できない危機感がある」と話した。  計画を巡っては、同大教授会の9割を超える教員51人が撤回を求めて文書に署名し、7月に大学側に提出している。

下関市立大専攻科新設計画問題、「ガバナンス上大いに問題」

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■毎日新聞  ∟●下関市立大、揺れる専攻科新設計画 理事長、市長の要望受け担当教員採用(2019年9月11日) 同記事には,この問題に詳しい研究者による以下のようなコメントが付いていた。それを掲載する。
ガバナンス上 大いに問題 大学のガバナンス(統治)に詳しい石原俊・明治学院大教授(社会学)の話 学内にこれまで無かった組織を作る時には、従来いる専門家(教員)の意見を聴きながら進めるのが当然だ。そもそも、事前に教育研究審議会で承認を得ない限り、教育研究の中身に関わる人事やカリキュラムを決めることはできない。日本の大学のシステムとして想定されていないことを市長と理事長が決めているということは、大学のガバナンス上、大いに問題がある。計画がこのまま進めば、学長や理事長に教員が協力せず、大学が機能しなくなるおそれがある。

下関下関市大の定款大幅変更へ、市議会委「可決すべき」

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朝日新聞(2019年9月4日) 02.JPG
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